日本まちくさの旅-九州・沖縄編-報告会レポート

2013年5月18日、日本まちくさの旅に出ているまちくさ博士こと重本晋平さんによる
報告会が行われました。
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少し蒸し暑い中、アニュアルギャラリーにて集まった面々を前にして博士は
ゆっくりとした口調で話し始めた。

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配られた紙は九州・沖縄の地図と博士の可愛いイラスト。


まず博士が旅したのは「もてなしの町」沖縄。
生えている草も建物も全く違う地で、人と人とのつながりにより、もてなされる博士。
まちくさも、京都にはないような原色の植物が多く、ユニークなまちくさがいっぱい。
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「やさしい台風」沖縄県那覇市

次に向かったのは「2つの顔を持つ町」鹿児島。
繁華街として賑わう「天文館」、桜島と人々が一体となっているような「城山」。
同じ市内でも二つの顔を持つ町の違い、そしてまちくさの違いを博士は感じていた。

そして3県目、「水の町」熊本。
火の国として有名な熊本だが、豊かな水源に恵まれ、それが風土にも人柄にも
つながっていると博士は語った。

4県目に向かったのは「奥行きのある町」大分。
大分は10代の頃一度来たことのある思い出の町だそうだ。
奥行きのある道で迷子になっておばさんとおばさんが連れてる犬に心配される博士。
湯の国らしく、お風呂系のまちくさがたくさん紹介されていた。
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五右衛門風呂」大分県別府市

そして最後は「多彩な町」福岡。
ゆったりとしていた大分とのギャップに動揺しながらも少しづつ町にとけこんでいったという。
まちくさだけではなく、街中の面白い看板もたくさん紹介され、会場からは笑いが起きていた。
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「借り暮らし」福岡県太宰府


普段町を歩くときは、道の隅っこに生えている草はもちろんの事、
周りの風景にもあまり目がいくことがない。

草も、町も、人も、猫も、看板も、博士の視点で見るとちょっと違う風に見えてくる。
その町その町にもそれぞれの風景があって、まちくさがあって。

全然知らない町の、全然知らない小道の、全然知らないまちくさの話を、
博士の買っていたお土産のおまんじゅうを食べながら、
まるでよく知っている町を歩いている様な気分で聞き入ってしまった。

まちくさを愛することは、町を愛することなのかもしれない。
博士の話を聞きながら自分の住んでいる町や、生まれ育った町のことを思い返していた。
暑い中、アイスを食べながら帰った部活の帰り道。
嫌なことがあって一人で泣きながら通った道。
つまらないことで友達と笑いあいながら歩いた道。

この町には一体どんなまちくさがあるのだろうか。
今日は少し下を見ながら帰ろうと思う。

文・木村実里

hakase.jpg<講師> 重本晋平(まちくさ博士)
 1985年生まれ京都出身。 2007年、町に生える雑草に自ら名前をつけて分類する「まちくさ」を考案、 図鑑と絵本を制作する。また、子ども達との路上探検ワークショップ 「まちくさめぐり」のプロジェクトも開始。自らまちくさ博士となり小学校や 施設をまわる。また、精力的に展覧会なども開催し、日々まちくさの新たな 可能性を探っている。

 まちくさ公式ホームページ 

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